FAQ
- 現在の設計手法はいつごろまで使えるのでしょうか?
- 明確な回答はできませんが、世界的には新しい設計手法が開発され、徐々に取り入られ始めています
例) SystemC, System Verilog, Simulink HDL - オブジェクト指向を取り入れた設計では、どのような利点があるのでしょうか?
- オブジェクト指向の考えを取り入れた設計を行うことで、設計者には下記に示す利点を得ることができます。
1.ソースコードの可読性の向上
2.設計済みデータの再利用性の向上
3.保守性の向上 - 職務が忙しい中で、NSL Overtureを使うメリットはあるのでしょうか?
- NSL Overtureを使うことで、他社よりもすばやく設計を完了し、品質を向上させることが可能です。
- 現在Verilog HDLやVHDLを設計に使用していますが、シミュレーション時間がとても長いので、なにか解決策はありませんか?
- 当社のソリューションはシミュレーション用にSystemCのコードを合成することができます。SystemCは従来のシミュレーション方法に比べて数倍から数百倍も早く処理が行われさらにCプログラムとの親和性もあります。
当社ソリューションで効果的かつ高速な検証が可能です。 - SystemCという言語が海外で主流になりつつあり、一部の大手企業でも設計手法として取り入れられていると聞いています。NSL Overture はSystemC をサポートしますか?
- NSL Overtureは、NSLからSystemC言語を合成することが可能です。出力されたコードはSystemCの検証ソフトウェアにそのまま使用することが可能です。
- NSLというものは、どのようなものでしょうか?
- ハードウェア記述言語の一種で、従来使われているVerilog HDLやVHDLに比べて抽象度の高い記述が可能なため、少ない記述量で回路を記述することができます。また、ハードウェアエンジニアだけでなくソフトウェアエンジニアでも扱いやすいような言語仕様になっています。
- ASIC開発にNSL Overtureのツールは使えますか?
- 可能です。
当社でも、メディカル機器向けに90nm /ストラクチャードASIC向けのLSI開発に使用しております。 - NSL Overtureとは、なんでしょうか?
- NSL Overtureは当社ソフトウェア群をまとめた統合開発環境です。このソフトウェアには、NSL論理合成エンジンNSL Core、NSLエディタ、UMLクラス図作成ツール、そして UMLからNSL言語変換ツールと、これらを統合したEclipseベースのフレームワークが提供されます。
- 非同期回路の設計は可能ですか?
- はい、可能です。これは他のESLツール(SystemCなど)と大きく違う点です。NSLの仕様では、Verilog HDLやVHDLで記述可能な回路であれば同様に記述を行うことが可能です。しかしながら、モジュール内部で2相以上のクロックを用いた設計を行うことは可読性を損なうため、推奨しません。
- 多相クロックを用いた設計をしたいのですが、NSLではどのように記述しますか?
- 設計者は、基本的に1相クロックで設計を行い、’interface’構文を用いて親モジュールでネットレベルで接続を行います。
’interface’構文を用いたサンプルコードは当社から提供されております。 - NSL論理合成ツールが出力するVerilog HDLと VHDLコードの可読性はどの程度ありますか?
- NSL合成エンジンNSL Coreは単なる言語変換ツールではなく論理合成と最適化処理を行うため、出力されたコードはRTLレベルで圧縮されたコードとなります。
このため読むことは可能ですが C言語から生成されたアセンブリ言語のようなものですので、読む必要はありません。 - Verilog HDLやVHDLで設計した既存IPコアをNSLで使用することは可能でしょうか?
- 可能です。
既存のIPコアは、 “Interface”構文とともにポートマップを宣言することで子モジュールとして扱うことができます。
親モジュール側では、子モジュールを内部で実体化(インスタンシエーション)し、各々の配線を接続することで使用することが可能です。この方法を用いることで、FPGAのPLLやBlockRAM、CPUコアなどを使用することもできます。 - NSLの言語仕様は、どのようなアプリケーションに対して優位性がありますか?
- 変更が頻繁にあるパイプラインを多用した設計アプリケーションに対して優位性があります。
-パイプライン設計
-ディジタル信号処理
-IPコア/IPライブラリのマネージメント
-キャッシュメモリやCAM(アドレス連想型メモリ) - NSLの言語仕様では、なぜSystemCやSystem Verilogのような他ESLの仕様を取り入れなかったのでしょうか?
- 他ESLは主に検証を目的としたものであり、LSIの開発に主眼を置いたものではないためです。ここで述べたLSI開発を行うという作業には、非同期/同期回路の細かな制御や他IPライブラリの結合なども包括しております。
- 標準ロジック回路などの初級レベルの回路を設計するには、どの程度の研修期間が必要ですか。
- 数時間のトレーニングで可能になります。
-Verilog HDLやVHDLで設計経験がある場合には、短時間で技術習得を行うことが可能です。
-NSLの言語仕様はC/C++言語やVerilog HDLに非常に似通っています。また構文も一読して動作が理解できるように言語策定が行われております。 - 設計規模では中規模クラスのSDRAMコントローラや16bit プロセッサなどの設計を行うには、どの程度の研修期間が必要ですか。
-
習熟度にもよりますが、Verilog HDLやVHDLですでに回路設計を行っている方なら、10~20時間程度で設計できるようになります。
-下記の記述方式と動作を理解することで、回路設計が行えるようになります。
-並列動作記述/直列動作記述
-ステートマシン記述/アービトレーション/階層設計
-親モジュールと子モジュール間のハンドシェーク-8Bit/16Bitの小規模/マルチサイクルプロセッサの設計は10時間程度で、パイプライン版は15時間程度で可能です。
- すでにVerilog HDL/VHDLのLSI開発/機能検証環境を所有しています。これらの環境をNSLの設計環境とともに使用することはできますか?
- 既存環境をそのまま使用可能です。
NSL Core合成エンジンは、Verilog HDLやVHDLという標準的なRTL設計言語、またSystemC言語のソースコードを出力します。
そのため、お客様が所有するLSI開発/機能検証環境をそのまま利用できます。 - 既存のVerilog HDL/VHDLを用いた検証方法を習得するには、どの程度の時間が必要でしょうか?
- 特別な時間は必要ありません。
NSL Core合成エンジンは、RTLレベルのVerilog HDL/VHDLコードを生成しますから、従来の検証方法をそのまま使用できます。 - NSL Overtureでは何らかの検証機能を用意していますか?
-
1)NSL言語仕様レベル :
-Verilog HDLでの検証に使われるシステムタスクをNSLコード内に記述することができます。2)NSLシミュレータ :
当社では、下記の手法での検証を推奨します。
-Verilog HDL :広く用いられた技術で十分な機能があります。ASICベンダでは、サインオフシミュレーションとしても採用されています。
-SystemC : 新しい技術で非常に高速です。また、VHDLでの検証はストリーム処理系が貧弱であるためお勧めしません。
- NSL Overtureの製品は単なる言語変換ツールなのでしょうか?
- いいえ。単純な言語変換ツールではありません。
IP-ARCH社でNSLの言語策定とNSL Coreの開発を行った清水尚彦博士は、スーパコンピュータの論理回路設計を行っておりました。NSLは、博士の技術を取り入れたものです。
通常、他ESLツールやC/C++言語ベースの開発ツールは、変換後の設計規模が肥大化したり、処理が遅くなるという問題があります。しかしながら、NSL Coreでは、NSLで記述した回路を最適化処理と合成処理を行った後に各種出力言語に変換します。その結果、他のESLよりも効率のいい回路が得られます。また、設計コードの可読性や保守性についても特徴があります。NSLの言語仕様は、オブジェクト思考の技術を取り入れております。 - NSL言語仕様と論理合成ツールは、機能記述と機能検証の両方をサポートしていますか?
-
はい。以下の機能をサポートしています。
・動作記述/機能記述
-システムレベル記述
-ビヘイビア記述
-RTL(ゲートレベル)記述・機能検証記述
-Verilog HDL言語ライクな検証構文 - NSLでは、 PLI (Verilog HDL)やFLI(VHDL)などのライブラリを使用することが可能ですか?
- いいえ。そのような機能は用意していません。使用される場合には該当する言語ツールでテストベクタを作成してください。
- NSL Overture製品は統合開発環境上で提供されますか?
- はい。統合開発環境が用意されております。当社製品は、Eclipse3.5 Galileo上に統合されています。
- すでにVerilog HDL/VHDLのLSI開発/機能検証環境を所有しています。これらの環境をNSL Overtune開発環境とともに使用することはできますか?
- 既存環境をそのまま使用可能です。NSL Overtureを導入したから既存の開発環境がいらなくなるというものではなく、既存の環境をより効率よく使うためのツールだとお考えください。
NSL OvertureはNSLからVerilog HDLやVHDLという標準的なRTL設計言語、またSystemC言語のソースコードを出力します。そのため、お客様が所有する LSI開発/機能検証環境をそのまま利用できます。 - どのようなUML/NSLサンプルコードが用意されていますか?
-
40種類を越えるコードがすでに公開されています。
また、今後も新しいコードが追加されます。-標準ロジック回路 ( And / Or / Inv など )
-ステートマシン、シーケンス回路
-非同期シリアル、SDRAMコントローラ、PCI
-8bit MCU, 16bit MPU, 32bit MIPS/V1 - 製品アップデートの方法を教えてください。
- 統合開発環境内のアップデートメニューから、手動でアップデートできます。
- 当社はすでに多くのIPコアを保有しています。新たにNSLでIPコアライブラリを開発することになりますが、効果的に管理する方法は用意していますか?
- ライブラリマネージメントツールの提供を検討中です。
ザイリンクス社の EDKやアルテラ社のSoPCビルダとは違った形で、NSL / UML / Verilog HDL / VHDL / SystemCやテキストファイルなどの「オブジェクト」を統合的に管理する機構を用意する予定です。