開発者からのメッセージ

優秀なハードウェア設計者の皆様のユーザーエクスペリエンスをいかに向上させるかを目標に、自らがハードウェア設計者であるアーキテクトが議論を重ねて言語設計を行いました。もちろん、LSIの大規模化に伴い求められる生産性向上も目的のひとつです。

NSLのルーツは、CSP(Communicating Sequential Processes, 1978, C.A.Hoare)です。同理念をノイマン型コンピュータに採用した代表言語には、Transputerで有名なOCCAM(1983, D.May)があり、ハードウェアに採用した例としてはSFL/PARTHENON(1985, NTT)があります。われわれは、CSPをハードウェアに最適適用するにあたり、過去の事例を詳細に検討し、ハードウェアアーキテクトの視点から、細粒度の並列処理と順序処理の絶妙なバランスを実現した新しい言語体系を確立したものと自負しています。

NSLの論理合成エンジンの開発は、2002年、IP ARCH, Inc.(米国ハワイ州)でスタートし、継続的に熟成を進めてきました。マイクロプロセッサはもちろんのこと、PCIバスコントローラ、SDRAMコントローラ、 USBコントローラなど、タイミングクリティカルな設計適用事例も多く、その合成エンジンの信頼性は確たるものがあります。

合成エンジンの上に乗る言語プロセッサは、新世代言語NSLとして2009年末より新規に設計しなおし、オーバートーン株式会社から提供することになりました。

NSLは、初めてこの言語を利用する皆様の過去の資産と経験を大切にします。過去に蓄積したVerilog HDLやVHDLの設計資産は、NSLを使った新世代の設計にそのまま統合できます。さらに、検証のためSystemCとNSLを統合することもできます。

また、NSLの表面上の表記は、過去のRTLを利用してきた皆様の直感を阻害しないよう、 Verilog HDLにもC言語にも似たものにしています。

NSLと巷にあふれる動作合成言語たちとの大きな違いは、ハードウェア生成をクロックサイクル単位で100%コントロールできる点にあります。そのため、NSLで記述すれば、インターロックを含む高度なパイプライン処理を行う高機能マイクロプロセッサなどでも簡単に実現できます。

ハードウェアを知り尽くした、優秀なエンジニアである、あなたのための言語、それがNSLです。

オーバートーン株式会社 CTO 清水尚彦, Ph.D